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嚥下チェックシート



外見上のチェック

1. 痩せがひどくないですか?体重減少はないですか?(1か月で5%以上)

やせている人は基本的に筋肉が少なく、のどの収縮力が低下している可能性があります。またのどの空間の体積が大きくなっていて食べ物や飲み物を食道に押し込むことがうまくできない可能性があります。
また体重減少があると実は十分に食べれていないことになります。栄養状態が悪くなると筋力低下も進みます。これをサルコペニアと言います。サルコペニアが進むと嚥下障害も進みます。また栄養状態が悪くなると誤嚥による呼吸器感染のリスクも高まります。

2. 目が覚めていますか?

いつも寝ていて、呼びかけたり、刺激をしても起きない人は、飲み込む反射や咳の反射が起こりにくくなっていることが考えられます。そのため唾液や食べ物がのどにたまり、少しずつ気管に流れ込んでいる可能性があります。また気管に食べ物や唾液などが流れ込んでもムセが起きていないことがあります。

3. 声はしっかり出ますか?

声がしっかり出ないということは、声門がしっかり動いていない可能性があります。声門が閉じることは誤嚥の防御機能としても重要です。声が出にくい人はこの機能が十分働いていません。また、声門が閉じないと咳もうまくできません。

4. 呼吸はしっかりしていますか?

健康な人は、飲み込む前に息を吸い、軽く吐き加減の状態で息を止め(嚥下性無呼吸)、飲み込んだ後、息を吐くという動作を 無意識に行っています。ひどく呼吸が浅い人や、不安定な人は、嚥下性無呼吸の状態が作れないため誤嚥のリスクが上がります。

5. 首は動きますか?

飲み込みにはある程度の首の動きが必要です。飲み込みに使う筋肉は首の内部にあるので、外部、つまり首を動かす筋肉が硬くなると、内部が動きづらくなるのです。よって寝たきりなどのために首が固まってしまうと飲み込みに障害が出てきます。またパーキンソン症状などの疑いもあります。

6. ひどく腰が曲がっていませんか?

首や体の筋肉で自分自身の頭と体を支えられなくなった人は、重力に負けて猫背の姿勢になっていく段階で、バランスを取るために顔を上に向けるようになります。するとのどの空間が広くなり、更にのど仏を持ち上げる筋肉が突っ張った状態となり、飲み込みにくくなります。また首の骨も曲がっていくこともあり、食べ物が食道の入り口を通過する障害になることがあります。そうなると誤嚥のリスクも高まります。

7. 痰は多くないですか?のどがガラガラ言っていませんか?

喋ることと食べることはほぼ同じ器官を使って行われています。痰がからんだようなガラガラ声になった場合には、のどにうまく飲みこむことができなかった食物や唾液がたまっていることがあります。また痰を常に吸引しないといけないような場合には、誤嚥の危険性がとても高いです。

8. 口はきれいですか?また乾燥はしていませんか?

口が汚れている人は自浄作用が失われています。例えば、現在口から食事をしている人であれば、食事後に食物が異常に口の中に残っていたり、口から食事をしていない場合であれば、乾燥した痰が口中に張り付いていたりする場合があります。 また、口に乾燥した痰が付いているような人は、同じようにのどにも痰が乾いて張り付いていることがあります。
このような口腔乾燥は、脱水や薬剤の副作用も考えられます。

9. 唾液が口に貯まっていませんか?よだれは出ませんか?

健康な人は分泌されてきた唾液はある程度の量になると飲みこまれます。しかし飲みこみの反応がうまく起こらないと口の中に次第に唾液がたまり、よだれが出たりします。

食事中のチェック

10. 食事中咳がありますか?

食事の際、頻繁にムセる場合は嚥下障害があります。液体や液体と固形物が混ざったものは特にムセやすくなります。ムセに関しては気道の防御反応であり、悪いことばかりではありませんがあまりにも多いと注意が必要です。
またムセのない誤嚥もあり、これに関しては、検査をしてみないとわかりません。

11. 食事摂取後の咳はありますか?

食後しばらくたって咳がでることがあります。これはうまく飲みこむことができなかった食べ物がのどに残り、食後しばらくしてから気管の方に落ちこむことがあるからです。また一旦食道に通過した物がのどまで逆流している可能性もあります。

12. 食事に時間がかかるようになっていませんか?

固くて噛みにくいものは通常時間がかかります。しかし以前は問題なく飲めていたものが、かなり労力が必要になった場合は嚥下障害の疑いがあります。また入れ歯が合わない時や歯の状態が悪い時も固いものは噛みにくくなります。ただ噛むための筋肉の衰えや、神経学的な障害で巧みな動きが難しくなり噛みにくい症状が起こることもあります。
また舌の動きの障害や衰えが進めば食べ物の処理に時間を要するようになります。

13. 食事摂取量が減っていませんか?

うまく食べたり飲みこめないと食事を残しがちになります。そして食事に時間がかかるようになります。すると食事を楽しめないため、食べる意欲が低下して、必要な栄養を摂ることが難しくなります。また認知障害など精神的な問題も考えられます。消化器系に問題がありそうであれば消化器内科受診の検討も必要です。
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