乳がん
乳がんとは
乳がんは40~50歳代の女性に多く、罹患率、脂肪率ともに増加傾向にある侮ることのできない疾患です。乳がんの発症に大きく関与しているのが女性ホルモンのエストロゲンで、過剰に分泌され長期間さらされることで乳がんの発症リスクが上昇します。その要因には肥満、未出産、30歳以上での初産などがわかっています。また喫煙や飲酒習慣などによってもリスクは高くなります。
乳がんの症状は乳房のしこり、血性分泌物、わきの下のしこりなどです。左乳房の場合には仰向けに寝て左手を頭上に挙げ右手で左の乳房を全体的にさわることでしこりを触れることがあります。また鏡の前で両方の乳房を比べて形や色、乳頭の形に違いがあれば乳がんの疑いがあります。また乳首の先から血の混ざった分泌液が出たり、わきの下にしこりをふれたりすることもあります。いずれの症状があっても一度、乳がん専門医を受診することをお勧めします。
乳がんの症状は乳房のしこり、血性分泌物、わきの下のしこりなどです。左乳房の場合には仰向けに寝て左手を頭上に挙げ右手で左の乳房を全体的にさわることでしこりを触れることがあります。また鏡の前で両方の乳房を比べて形や色、乳頭の形に違いがあれば乳がんの疑いがあります。また乳首の先から血の混ざった分泌液が出たり、わきの下にしこりをふれたりすることもあります。いずれの症状があっても一度、乳がん専門医を受診することをお勧めします。
乳がん診断の流れ
問診
まず、問診票に、症状の記入をしていただきます。
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マンモグラフィ
診察前に、マンモグラフィーの撮影を行います。基本、女性の技師が撮影します。
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視診・触診超音波検査
次いで、診察、超音波検査を行います。
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細胞診・針生検・生検
マンモグラフィー、超音波検査で必要であると判断した時には、針生検を行います。結果は1週間程度で判明します。
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CT(MRI、骨シンチ)
悪性であった場合、CTなどで病期(ステージ) 評価を行います。
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治療
ステージに応じた治療を開始します。
乳がんの治療
乳がんに対する治療には、手術、放射線療法、薬物療法、ホルモン療法などがあります。ごく早期の乳がんには手術のみで完治することがありますが、乳がんは比較的早期より転移していることが少なくないため手術に加え薬剤や放射線を組み合わせることが標準となっています。
乳がんの手術
乳がんの手術には胸筋合併乳房切除術、胸筋温存乳房切除術、乳房温存手術(扇状部分切除、円状部分切除)などがあります。乳房温存手術は腫瘍径3cm以下で、広範囲の乳管内進展がなく、多発病変もなく、術後の放射線治療が可能であれば適応となります。術前の検査で明らかにわきの下のリンパ節に転移を認めない場合には、センチネルリンパ節生検と呼ばれる乳腺に一番近いリンパ節だけを切除して転移の有無を検査する方法もあります。またかなり進行した乳がんや局所再発でも化学療法やホルモン療法を行い、切除が可能となることもあります。術後は7~10日程度の入院となります。最近では、乳房切除後の乳房形成術・乳房再建なども保険が認められています。
乳がんの放射線療法の目的
乳房温存手術後の乳房内再発予防、乳房切除術後のリンパ節再発予防、リンパ節、脳、骨などの再発に対する治療などがあります。乳房温存手術では残した乳房の局所的な再発が約40%程度に生じますが、放射線治療を行うことで約10%程度に抑えることができます。乳房切除術後でも腋の下のリンパ節に4個以上転移があったり5cm以上の腫瘍であれば胸壁やリンパ節などに再発の危険性が高いので抗がん剤やホルモン療法に加えて術後に放射線治療が勧められます。
乳がんの化学療法
術後の再発予防、手術前の治療、進行・再発乳がんの治療の目的で行われます。術後に再発予防として、腋窩リンパ節転移、ホルモン受容体、病理学的悪性度 、HER2蛋白の発現などの検査結果を踏まえて適切な抗がん剤を選択します。抗がん剤にはいろいろな副作用がありますが、最近は副作用を軽くする薬があり、副作用対策も進歩しています。
乳がんのホルモン療法
手術で摘出したがんの組織にエストロゲンとプロゲステロンという二つのホルモン受容体の有無を検査して、どちらか一つでもあればホルモン療法が適応となります。手術後5年ないし10年続けることで再発率を大幅に減らすことができます。