肺塞栓予防の取り組み
肺塞栓症とは
肺の動脈に血液の塊(血栓)が詰まってしまう病気です。飛行機や車内などで水分をとらずに長時間座ったままの状態でいる事で発症する肺塞栓症は、別名「エコノミークラス症候群」と言われよく知られています。これは、足の静脈内にできた血栓が血液の流れに乗って心臓を経由して肺の動脈まで運ばれてしまうことで発症します。いったん発症すると短時間に進行し、命に関わることもあるため、早急な対応が必要です。
入院中は肺塞栓症に要注意!
入院中も同様に、安静のため長時間同じ姿勢を保つことで血流が悪くなったり、手術などで血管の壁が傷つくことで血液が固まりやすくなることから、肺塞栓症に注意が必要です。
マツダ病院の取り組み
より安心、安全な医療をご提供するために、当院では、医師・看護師・理学療法士・検査技師・臨床工学技士・薬剤師など、多職種が連携して「肺塞栓予防プロジェクト」を立ち上げ、肺塞栓予防の様々な取り組みを行っております。
- 手術の有無を問わず、対象となる全ての入院患者さんのリスクを評価し、適正な予防策を実施しています
- 予防策実施中も、早期発見のため、足の状態などの観察を行い、異常があれば速やかに検査を行っています
- マニュアル作成、適切なリスク評価や予防策実施、経過観察のためのスタッフ教育・研修を行なっています
肺塞栓の予防策
基本的な予防策は足の筋肉を動かして血液のめぐりを良くすることです。
具体的には次のような方法をおこなっています。
具体的には次のような方法をおこなっています。
弾性ストッキング・弾性包帯
伸縮力のある医療用のストッキング(包帯)をつける事で、 血流を改善し血栓ができるのを予防します。
間欠的空気圧迫法
足に専用の機器を装着し、空気による圧迫で血流を改善し血栓ができるのを予防します。
運動療法
患者さん自身で行っていただける血栓予防用の体操です。院内で無料放送されており、入院中はベッドサイドのテレビを見ながら、自室で体操を行う事ができます。また、外来患者さん向けにパンフレットもご用意しています。
マツダ病院いきいき健康体操
抗凝固療法
血液凝固阻止薬(血を固まりにくくする薬)を使用する事で血栓自体の発生を予防します。
出血傾向に注意しながら使用します。
出血傾向に注意しながら使用します。
看護師からのお願い
これらの予防策を行っても、リスクを完全になくすことはできません。
足の痛みや左右の太さに差がある場合は、医師または看護師に相談してください。
また、ベットで安静にした状態から、はじめて立ち上がるときやトイレに行くときに、呼吸が苦しい、胸が痛いなど少しでも異常を感じた場合は、ただちに看護師をお呼びください。
足の痛みや左右の太さに差がある場合は、医師または看護師に相談してください。
また、ベットで安静にした状態から、はじめて立ち上がるときやトイレに行くときに、呼吸が苦しい、胸が痛いなど少しでも異常を感じた場合は、ただちに看護師をお呼びください。