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対談インタビュー

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vol.01 病院長 × 看護部長


2025年、
マツダ病院が辿り着く未来へ

田村徹 尾崎仁美

2025年に向けて、“未来のありたい姿”を達成するために

田村
近年、医療を取り巻く環境は大きく変化しています。その筆頭と言えるのが、厚生労働省主導のもと策定が進行する「地域医療構想」です。これは、従来の医療提供体制を見直すための制度のことで、2025年に向けて、より効率的な医療提供を目指すための取り組みになります。
尾崎
医療における「2025年問題」に関係する制度ですね。
田村
そうです。2025年というのは、団塊の世代が75歳になる年を指しています。そこで懸念されるのが、医療や介護需要の最大化、回復期機能を持つ病床の不足、医療費の増加、医師不足といった問題です。
尾崎
高齢者人口の増加の地域差、医師や医療従事者の働き方改革の推進も叫ばれていますね。

田村
はい。このような社会背景を受けて、私たちマツダ病院でも“未来のありたい姿”の再編に踏み切る必要がありました。そこで、2020年に策定したのが【2025ビジョン -愛され選ばれる病院、職員が誇りを持って働ける病院-】です。同時に、この2025年ビジョンを達成するための中期経営計画も策定しました。中期経営計画は「患者・地域の満足」「職員の満足」「病院経営の安定」という3つの柱で成り立っており、さらに、この3つの柱を実現するために「地域連携及び広報活動の推進」「救急医療の充実」「病床の稼働・機能の向上」「医療従事者の定着及び適正配置」の4つの目標を掲げています。

中期目標

尾崎
病院理念である「温かい思いやりの心で最新・最良の医療を提供し社会に貢献する」はこれまで通り守りながら、新しい時代の環境変化にしっかり対応していくためのビジョンや経営計画ということですね。最終的に目指す着地点は、未来のありたい姿=「愛され選ばれる病院、職員が誇りを持って働ける病院」。その達成を着実に進めるための、3つの柱・4つの目標なんですね。
田村
まずは、4つの目標をそれぞれ確実にクリアにしていくことが大切だと考えます。例えば「地域連携及び広報活動の推進」では、病気や障害があっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしができるお手伝いを、地域の医療機関と連携して提供することを目ざします。そのための指標として紹介率、逆紹介率の向上を目標にあげています。「地域の先生からの紹介を受ける、そして逆紹介をする」この循環をしっかり維持していきます。またマツダ病院を知ってもらうための情報発信も強化していきます。今回のホームページリニュアルもその一環です。「救急医療の充実」であれば、当院はここ数年、救急車の受入件数が年間2200~2300件ほどなのですが、中期経営計画では2500件以上を目標としています。
尾崎
中規模病院において、年間2000を超える救急受入件数は、連携する他病院の方からも「マツダ病院は“救急車に強い病院”」として高く信頼されているようです。

「地域の住民を断らずに診る、治す」のその先へ

田村
救急に限らずですが、当院は「地域の住民を断らずに診る、治す」というスタンスにこだわり続けています。特に、一般的な病気や症状に関しては、当院が積極的に診療し、すみやかに、安全に、住み慣れた地域に帰っていただきたい。前述の中期経営計画でも「患者・地域の満足」を掲げていますので、「断らずに診る、治す」のスタンスをより効率的に実現できる体制を整えていきたいですね。
尾崎
超高齢化社会を迎えるにあたって、ますますご高齢の患者さんが増加していきます。そうすると、受け入れて治療するまではできても「家に帰れない」「施設を探す必要がある」といったケースも発生します。私たちが目指したいのは「断らずに診る、治す」のその先です。自宅退院が難しい場合は、周辺施設の開拓や連携に力を注ぎ、その方に合った病院や施設を探すサポートは重要な役割となっています。地域医療の核であるトータルケアの実現にもつながっていきますからね。加えてもうひとつ。最近は、地域住民の方から介護に関するニーズが多く寄せられています。当院としても、高齢者の医療を考える上で、介護の分野の対応力も強くしていく必要があると考えています。
田村
確かにそうですね。看護部を中心に、高齢者のための医療・看護について学びを深められる体制を作っていきましょう。看護部でも独自の2025ビジョンを策定していますよね。

尾崎
はい。看護部の2025ビジョンでは、3つの基本コンセプトを掲げました。1つ目は「患者・地域から愛され、選ばれる看護部」、2つ目は「健康な地域と未来をつくる看護部」、3つ目は「人材(人財)豊富な看護部」です。特に「人材(人財)豊富な看護部」については個人的にかなり重要視しています。当院では全職員の約2/3が看護部職員です。一人ひとりのやりたい看護の探究やキャリアデザインの面を徹底的にサポートし、末ながく、高いモチベーションと自信を持って働ける環境を整えていきたいです。さらに、能力や活躍に応じた公平性のある評価基準の確立、ワーク・ライフ・バランスの充実、ハラスメント対策も推し進めていきたい項目です。これらが実現することで、患者さんはもとより、看護学生、転職される看護師からも“選ばれる看護部”としてより成長できると思います。
田村
看護のレベルが上がれば、当然、地域の方々への貢献度も高くなりますし、病院組織としても多大なメリットをもたらします。看護部の2025ビジョンの達成に期待しています!
尾崎
ありがとうございます。

地域からも職員からも「愛され選ばれる病院」となる

田村
病院の役割という観点で言うと、当院は「広島市東部地区を中心とする地域の中核病院として、近隣医療機関との連携を図り、地域住民の生命と健康を守り続ける」「企業立病院として、健診及び医療の提供により、マツダ社員及びその家族の健康に寄与する」の2つの努力目標を掲げています。最近の具体的な活動としては、先の新型コロナウイルス感染症対応です。コロナ患者さんの診断・治療、ワクチン接種に積極的に取り組むことで「地域住民の生命と健康を守り続ける」に貢献できましたし、マツダ社員やその家族に対しては職域接種という形で寄与することができました。
尾崎
ちょっと話はそれますが、一部の方からこのような声を耳にすることがあります。「マツダ病院は企業の病院だから、職員を優先的に診ているのでは?」と。
田村
それは全くの誤解です(笑)。入院・外来ともに当院を利用される患者さんの90%は地域住民の方です。企業立病院ではありますが、立ち位置としては完全なる地域病院。前述した通り、私たちは「地域住民の生命と健康を守り続ける」ことを使命とし、「地域の住民を断らずに診る、治す」ことにこだわっています。何かしらの病気にかかった時は、真っ先にマツダ病院を選んでいただき、治療を受けて満足して帰っていただく。さらには「マツダ病院なら安心だよ」と家族や知り合いにご紹介いただく。そういった病院になれるよう日々邁進しています。

尾崎
2025ビジョンにある「愛され選ばれる病院」の部分ですね。私も同意見です。マツダ病院と言うのは、地域住民にとってつねに近くにあり、気軽に寄り添える存在です。働く職員にとっても、助け合いの精神で結ばれた居心地の良い環境だと思います。私自身も入職からずっと“マツダっ子”ですので、よくわかるんです。イチ職員、イチ看護師の垣根を超えた、愛情に近いものを感じていますから。田村院長がおっしゃったように「通うならマツダ」「働くならマツダ」という声がもっと広まるようにしていきたいですね。

古くから院内に息づく“マツダDNA”の継承

田村
ところで、尾崎さんが考える「マツダ病院で働くことのやりがい」は何ですか?
尾崎
人間関係や病院全体のチーム力ですね。特に看護部に関しては、長年一緒にやっているスタッフが多いこともあり、仲が良過ぎるくらいの信頼性を築けています。そして何か問題が起きれば、誰かがすぐに手を差し伸べてくれる風土が根付いています。もちろん、その風土というのは若い世代にも脈々と受け継がれていますよ。当院の看護師の定着率が高い理由でもありますね。

田村
助け合いの精神はすばらしいですよね。当院が胸を張ってアピールできる部分です。実は、私がマツダ病院に入職したばかりの頃は不思議で仕方なかったんです。「よくある中規模の病院で、予算や設備なども限られている。なのに、どうしてこんなに病院全体がイキイキとしているんだろう? なんで職員みんな楽しそうに働いているんだろう?」って。そんな疑問を抱きながら、自分だけどこか冷めた目でマツダ病院を眺めていたんですよね。でもしばらくすると、その答えに気付きました。
マツダ病院というのは、病院全体、職員全員が“地域のために”という一方向のベクトルで動いていたんです。「これってスゴいことだよな」って感動しました。さらに熟考していくと、マツダ株式会社のビジョンに深く関係していることがわかりました。自動車メーカーとしてのマツダは、世界の中ではスモールプレイヤーなんですよね。ですが、そんな厳しい業界の中でもアイデアとチーム力を駆使して、“お客様のために”独創的な車、満足できる車、安全な車を生み出し、創業以来100年以上にわたりユーザーやファンの心を掴み続けているんですよね。
田村
この“マツダDNA”継承のエピソードって、すごく良い広報活動だと思いませんか? この話をすると、あの時の感動が今でも甦ってきます。それまでの冷めた目から一転、「マツダ病院に来て本当に良かった」と感じた瞬間でしたから。その日から感動しながら仕事をするようになって、気付いたら院長になっていました(笑)。
尾崎
心に響くエピソードだと思います。マツダ車を愛用される方にも響きそうですね。
田村
ありがとうございます。では、そろそろまとめに入りましょう(笑)。2025年問題に向けて当院がやるべきことは大きく2つ。ひとつは、普遍的な病院理念である「温かい思いやりの心で最新・最良の医療を提供し社会に貢献する」をこれまで通り守り続けていくこと。ふたつめは、医療環境の大きな変化に対応する【2025ビジョン -愛され選ばれる病院、職員が誇りを持って働ける病院-】の達成です。
尾崎
看護部としてもビジョン達成の一翼を担えるよう全力で邁進していきます。
田村
ぜひよろしくお願いします。マツダ病院職員全員が一つのチームとなって、絶え間ない努力を継続し、地域の方々の生命と健康のために共に進んでいきましょう!
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