令和6年度 マツダ 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 171 149 155 133 174 378 604 1190 1263 384
指標の説明
2024年6月~2025年5月の期間、保険(公費、生活保護を含む)を使用した一般病棟の年齢階級別(10歳刻み)退院患者数を表し、年齢階級は、90歳以上を1つの階級としています。
◆解説                                                                                              年齢分布傾向は70歳未満の占める割合は38%、70歳以上の割合が62%で昨年とほぼ変わっていません。昨年と変わらず80歳代の患者数が最も多く、70歳代の患者数も同程度で超高齢化が継続しています。 
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 49 24.51 20.78 38.78 86.71
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 47 15.15 16.40 2.13 83.89
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 39 2.00 2.02 0.00 56.54
040110xxxx00xx 間質性肺炎 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 33 20.97 18.68 9.09 75.82
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 27 3.78 3.03 3.70 75.26
解説:
超高齢社会に伴い誤嚥性肺炎や高齢者肺炎が増加しています。当科では標準的な誤嚥性肺炎治療が行えるようなシステムを構築し院内全体で誤嚥性肺炎治療に取り組んでいます。必要に応じて個人に合わせた呼吸管理も行っております。嚥下機能が低下して誤嚥性肺炎を生じた患者さんでは歯科と連携をとり嚥下機能評価などを行います。また早期よりリハビリ介入を行い早期に退院を目指せるような取り組みも行っています。

睡眠時無呼吸症候群は我が国では200万人近い患者がいると推定されていますが診断・治療を受けている患者さんは30万人程度にとどまっています。睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病や脳卒中、心筋梗塞のリスクも高くなるため早めの診断・治療が必要です。当科では睡眠時無呼吸症候群が疑われ紹介受診した患者さんにPSG検査やCPAP治療を導入し逆紹介を行っています。

間質性肺炎は原因不明の特発性間質性肺炎、吸入抗原を吸入することで発症する間質性肺炎、薬剤に起因する薬剤性肺炎、膠原病に合併する間質性肺炎などが主体となっています。しかしこれらの間質性肺炎を正確に鑑別する事は困難な事が多いです。当院では間質性肺炎患者に対しては積極的に気管支鏡検査を行い可能な限り原因検索と治療に生かす事に努めています。進行性の間質性肺炎に対しては積極的に抗線維化薬の導入も行っています。

日本人の死因の第一位は癌であり、特に肺癌は癌死の中で男性では第一位、女性でも第二位となっており年々増加しております。当科では肺癌に対して積極的に検査を行い、手術不能な状態であれば化学療法を入院および外来で行っています。近年は遺伝子検査を行い特定の遺伝子が存在すれば分子標的治療薬を用いて長期予後が望めるようになってきています。また免疫療法の効果が認められる患者でも長期効果が望めるようになっているため積極的な導入を行っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 81 2.53 2.57 0.00 76.35
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 59 5.75 7.60 1.69 68.81
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 31 24.26 20.78 32.26 83.74
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 22 9.91 8.88 4.55 78.77
060335xx99x0xx 胆嚢炎等 手術なし 手術・処置等2 なし 19 12.00 11.29 15.79 75.00
解説:
当科では大腸ポリープを内視鏡(大腸カメラ)にて切除しています。一般的には大腸カメラは外来で行い、5~10mmの大腸ポリープを認めた時にはその場で切除し帰宅としていますが、10mm以上の比較的大きなポリープや血液をサラサラにする薬を飲まれている場合、出血の危険性が比較的高いと判断した時や、ポリープの一部に癌が存在すると考えられた時には、その場では観察のみとさせていただき、後日短期間入院にて切除する事もあります。また、御高齢の方は安全のためにも最初から入院にて検査を行いますが、結果的に大腸ポリープ(主には良性腫瘍)が存在した時には内視鏡的切除を行っています。(1位)
大腸憩室に炎症を起こす大腸憩室炎です。絶食による腸管安静と抗菌薬投与が治療の基本になります。(2位)
高齢化社会に伴い誤嚥性肺炎が増加している事が原因です。当科では標準的な肺炎治療が行えるようなシステムを構築し院内全体で肺炎治療に取り組んでいます。必要に応じて個人に合わせた酸素療法も行っております。また肺炎球菌は肺炎の原因として最も多い細菌であるため肺炎球菌ワクチンの積極的接種も行っています。嚥下機能が低下して誤嚥性肺炎を生じた患者では歯科と連携をとり嚥下機能評価などを行い誤嚥性肺炎の再発の予防にも努めています。(3位)
胆道感染症は、胆道を感染部位とする感染症で、胆のう炎と胆管炎に分類されます。ともに器質的異常(内臓などの組織の異常)あるいは機能的異常(組織の働きの異常)によって胆汁の流れが阻害され(うっ滞)、細菌感染が起こり発症します。診断や基本的治療方針は、世界で活用されている国際診療ガイドラインである「急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン 2018」に従います。 胆道感染症を疑われた場合は、臨床症状、身体所見、血液検査、画像検査(超音波、CT、MRIなど)により総合的に診断し、さらに重症度判定基準により、重症度に応じた治療を行ないます。胆道感染症と診断され次第、抗菌薬投与(保存的治療)を開始します。 胆のう炎では、保存的治療で改善しない場合には胆のうドレナージ術(PTGBD、PTGBA)、あるいは条件を満たせば最初から手術で胆のう摘出(第一選択は腹腔鏡下胆のう摘出術)を含む治療が必要です。(4位)
胆管炎では保存的治療に加えて内視鏡的胆道ドレナージ(胆のうに貯まった胆汁を外へ排出する事)を行ったり、原因となる総胆管結石採石術を行います。(5位)
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 98 23.39 17.33 9.18 83.58
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 31 30.13 20.78 38.71 87.45
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 28 2.57 3.07 3.57 67.79
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 25 20.16 16.40 12.00 86.68
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 18 11.11 9.59 5.56 84.83
解説:
当科では虚血性心疾患や心不全などの代表的な心疾患を、救急を含めて引き受けています。心エコー、運動負荷試験、心臓CT、心筋シンチグラムなどの非侵襲的な検査を外来で行い、必要に応じて入院での精査治療を行っています。治療に関しては各種疾患の治療ガイドラインを考慮して、個々の患者さんに最適な治療方針を毎日のカンファレンスで決定しています。冠動脈疾患に関してはカテーテル治療および生活習慣の改善を含めた動脈硬化危険因子の改善、心不全に対しては薬物治療およびASV(マスクによる人工呼吸)などの非薬物治療を行っています。高血圧・心不全疾患に対し定期的に勉強会を開催しています。心臓リハビリプログラムによる心不全再発予防にも取り組んでいます。重症閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP導入、指導も積極的に取り入れており、精密診断のための一泊入院もあります。頻脈性心房細動に対する電気的除細動、心不全を呈する徐脈性不整脈に対するペースメーカー治療も行います。
当院の入院患者さんの特徴として高齢者が多く、特に心不全では入退院を繰り返す症例、嚥下障害で肺炎を併発する症例、尿路感染を併発する症例が多く、在院日数も長くなる傾向があります。リハビリ、嚥下訓練を行い個々の症例に応じた良い状態への回復を目指しています。
糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり 30 21.03 13.77 10.00 67.63
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 14 16.29 13.66 14.29 82.14
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 12 18.67 13.07 8.33 64.75
100120xx99xxxx 肥満症 手術なし - - 13.35 - -
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし - - 16.40 - -
解説:
主任部長が糖尿病専門医であるばかりでなく、肝臓病、消化器病、老年医学専門医でもあるという特性を生かし、肝性糖尿病、膵性糖尿病、高齢者糖尿病に対する加療、血糖コントロールを得意とするところが当科の特徴です。また、国内においては2024年よりはGLP-1受容体作動薬を用いた外来療法を行う事が可能となり、当科でも他基幹病院に先駆け、導入開始しましたが、県下で最も長い歴史を持つ日本肥満学会認定肥満症専門病院として、病的肥満症に対するフォーミュラ食を用いた低カロリーダイエット療法入院を行っており、癌、整形外科、形成外科的疾患術前で大きな減量を要する患者の減量で大きな成果を上げています。2024年よりは、2型糖尿病、2次性糖尿病の待機的な教育入院だけではなく、低血糖昏睡時、急性発症、急性増悪時、また血糖コントロール不良患者に嚥下性肺炎や泌尿器感染症や敗血症を合併した症例などの緊急入院に対しても、糖尿病療養チームが中心となった多職種介入の上での療養、加療を直ちに開始出来るシステムを構築しています。毎月2週にわたる全9コマの糖尿病教室を開催しており、入院患者のみならず、外来、近隣患者も無料で受講出来るようになっています。
入院中に糖尿病合併症及び、糖尿病で多いとされる、がん、骨粗鬆症、認知症、睡眠時無呼吸症候群などを積極的に評価し、問題があれば総合病院であるメリットを生かし、他科と連携加療を直ちに開始するようにしています。他科手術前後の血糖管理も多数行い、入院加療向上、入院日数低減のための後方支援も行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 27 5.07 5.61 0.00 5.81
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病 なし 11 4.82 8.02 0.00 2.00
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 6.38 - -
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2 なし - - 6.98 - -
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) - - 6.22 - -
解説:
小児は解剖学的・免疫学的特性から感染症に罹患する機会が多く、また重篤化する事も多い。このため感染症に関連した入院機会が多くなる。学校・幼稚園・保育園など集団生活の場では呼吸器・消化器など感染症の伝染・流行が普遍的にみられており、家庭では未就園の弟・妹への拡散もみられる。
感染症の重症度判定および原因微生物特定のため、血液・尿検査や微生物抗原検査、細菌培養検査などを治療に先立ち実施する必要があるが、小児患者では検体採取に協力が得られず困難を伴う事が多い。また、感染部位の特定・病巣の状態把握のため画像検査を実施する際、安静を保てず検査困難な場合には鎮静剤を用いるが、小児の鎮静を安全に行うには専門性を持つ医師による実施が必要であり、当科では技量に習熟した小児科医師が担当している。
乳幼児では感冒罹患に引き続き病原体が下気道に侵入し、気管支炎・肺炎など下気道炎を合併する機会が多い。発熱遷延・咳嗽悪化・不機嫌・食欲低下・努力呼吸などから存在を疑い、精査・診断する。細菌性を疑う症例では抗菌薬治療を行い、気管支喘息合併例あるいはウイルス性の細気管支炎例などではステロイド薬投与も考慮される。発熱や咳嗽・努力呼吸のためエネルギー消費量および水分需要の増加がみられる一方で、食事・水分摂取量の低下を認める患者がほとんどであり、積極的に経静脈補液を行う必要がある。また低酸素血症予防のため、酸素投与を含めた呼吸管理が必要となる。小児患者では状態急変が多い一方で、乳幼児では適切に自身の困窮状況を訴える事も困難なため、小児患者の診療に熟練したスタッフによる経時的な評価から異変を察知する必要がある。日本を含め先進国では肺炎による小児死亡率は低いとされるが、世界的には小児死亡の15%と推計されており予断を許さない。
かつては4年に1度流行がみられるとされたマイコプラズマ肺炎も、近年では流動的な流行状況にある。マイコプラズマ肺炎が流行すると、他の細菌性肺炎とは異なる特異的な病態から、小学生以上の年齢層が流行の中心となり、多くは外来治療可能であるものの、重篤化し入院治療を必要とする患者も増加する。乳幼児では肺炎像を認めにくいとされるが、流行が拡大し患者年齢層の裾野が広がると、1歳児でもXpで明らかな肺炎像を呈する例もみられる。
2歳までの小児では下気道感染症罹患に際し喘鳴を認める事も多く、乳児喘息・非IgE喘息などと呼称される。乳児喘息のうち喘鳴を反復し認めるものや、家族歴からアトピー素因を認めるものに関しては気管支喘息である可能性が高くなる。呼吸機能検査の実施が難しい低年齢児においても、血清総IgEの上昇やRAST等で吸入抗原に対する感作を確認し、客観的な診断根拠としたいところではあるが、乳児では検査陰性となることが多く、アトピー素因など患者背景や気管支拡張剤に対する治療反応性の観察などを併せて診断する。吸入ステロイド薬等による予防治療の有効性から気管支喘息の入院例は減少しているが、未診断例および充分な予防治療の実施されていない低年齢層では入院治療を必要とする症例は依然多い。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 99 3.20 4.54 0.00 69.84
060035xx99x4xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 58 2.95 4.18 0.00 73.66
060035xx99x5xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 5あり 43 3.26 4.42 0.00 71.05
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 6あり 18 3.00 4.64 0.00 80.17
060150xx99xxxx 虫垂炎 手術なし 18 8.56 8.00 0.00 48.22
解説:
鼠径ヘルニア手術は腹腔鏡と鼠径部切開を症例に応じて使い分け希望があれば日帰り手術も行い、患者さんのニーズに合った術式、入院形態を提案している。大腸癌手術症例は横這い傾向であるが、可能な限り癌の根治性を損なわない範囲で腹腔鏡手術を選択している。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160610xx01xxxx 四肢筋腱損傷 関節鏡下肩腱板断裂手術等 121 35.72 16.15 77.69 67.50
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 116 32.13 25.29 56.03 85.78
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 84 28.71 21.38 2.38 76.01
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 70 23.79 12.71 0.00 26.06
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 52 22.88 19.16 40.38 80.75
解説:
当科の特徴は、膝および肩の関節外科に専門性があり症例の大多数を占めています。全体の9割が手術目的の受診で、地域外からの紹介も多数あります。肩腱板断裂や変形性関節症などの慢性疾患のほか、プロやセミプロチームのチームドクターがいるため、膝の半月板損傷や十字靭帯断裂、肩の反復性肩関節脱臼、関節唇損傷などのスポーツ外傷も多い事が特徴です。また、地域の基幹病院として近隣の救急外傷は積極的に受け入れており、大腿骨頚部骨折や脊椎骨折のほか交通外傷・労災外傷も増加しています。手術後のリハビリ治療などにより平均在院日数が全国平均よりやや長くなっています。肩腱板断裂や大腿骨頚部骨折(人工骨頭挿入等)の患者さんは、地域連携病院と治療計画を共有する事で転院を可能とし在院日数の短縮を図っています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 13 10.08 12.98 0.00 62.46
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 10 6.90 9.33 0.00 71.30
080100xxxx0x0x 薬疹、中毒疹 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし - - 10.13 - -
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 手術あり 手術・処置等1 なし - - 4.65 - -
080050xxxxxxxx 湿疹、皮膚炎群 - - 8.84 - -
解説:
最も多い入院疾患は、蜂窩織炎や丹毒などの皮膚細菌感染症です。また帯状疱疹、水痘などのウイルス感染症も中等症~重症であれば入院適応となります。皮膚良性、悪性腫瘍(黒色腫以外)の手術を行っており、良性であっても部位やサイズによっては入院される場合もあります。急性期の進行期脱毛症ではステロイドパルス療法のための短期入院を行っています。薬疹、中毒疹では、重症例では入院の上、ステロイド全身投与治療を主体に加療しています。難病である、天疱瘡や類天疱瘡では、中等症~重症例は入院加療を行なっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 133 2.01 2.45 0.00 71.67
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 69 8.32 7.77 1.45 75.81
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし 64 5.11 5.16 0.00 61.44
110070xx02xxxx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術+術中血管等描出撮影加算 53 6.40 6.75 1.89 76.36
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 39 11.03 11.11 0.00 73.33
解説:
当科は尿路全般の悪性疾患および良性疾患の患者さんを多く受け入れております。今までは3位の尿路結石症に対するレーザーを用いた砕石術や2位の前立腺肥大症に対するレーザーを用いた核出術に力を入れておりました。今後は、(1位であります)前立腺針生検で検出された前立腺癌患者に対する手術(ロボット支援下前立腺全摘除術)患者の増加が見込まれます。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 186 1.96 2.49 0.54 77.45
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 - - 4.29 - -
020110xx99xxxx 白内障、水晶体の疾患 手術なし - - 2.37 - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.66 - -
解説:
当院での白内障手術は、基本的に1泊2日の入院で行っております。患者様のご都合により入院が難しい場合には日帰り入院の対応も可能です。また、何らかの理由で局所麻酔が難しい患者様には全身麻酔下での手術も行っております。眼内レンズは単焦点レンズが主ですが、保険適応内の次世代型単焦点眼内レンズや、乱視用眼内レンズなどを用いてより良いQOV(Quality of Vision)が得られることを目指しております。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 82 7.01 7.35 0.00 18.39
030430xx97xxxx 滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞 手術あり 40 1.00 3.11 0.00 3.93
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 37 4.22 5.84 0.00 47.76
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 16 5.88 5.63 0.00 51.50
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 12 4.50 4.67 8.33 61.33
解説:
耳・鼻・咽喉・頸部の病気の診断とともに入院治療(手術等)を行っています。近郊の耳鼻咽喉科医院あるいは他の診療科からの紹介が多いのが特徴です。診療対象は中耳炎・副鼻腔炎・扁桃炎等の急性・慢性炎症疾患をはじめ、めまい・突発性難聴・顔面神経麻痺などの神経耳科疾患、頭頸部の良性および悪性腫瘍を含め耳鼻咽喉科の頭頸部外科全域をカバーしています。小児の睡眠時無呼吸や習慣性扁桃炎に対する、アデノイド切除術・口蓋扁桃摘出術の症例数が最多で、急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍などの重症感染症の入院も多くなっています。めまいなどの前庭機能障害は救急車で来院されるケースが多く、入院の上精査・加療を行っております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 17 - - 23 - - 1 8
大腸癌 - 31 36 45 19 106 1 8
乳癌 - - - - - 12 1 8
肺癌 - - 10 28 15 - 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
解説:
【外科】
胃癌は全国的に手術件数は減少傾向であるが、当院では癌拠点病院からあふれた高齢の患者さんが多く、標準治療の出来ないケースも少なくない。大腸癌は比較的症例数は安定しているが、胃癌同様高齢者が多い傾向にある。胃癌、大腸癌ともに腹腔鏡手術を中心に診療している。乳癌は専門医は不在だが、当院での治療を希望される患者を対象としている。

【消化器内科】
早期胃癌に対する内視鏡治療は、局所的な治療のため、胃壁外のリンパ節に転移がない病変が対象となります。胃癌治療ガイドラインに沿って内視鏡治療適応を決定します。早期胃癌に対する内視鏡治療には、①内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic Mucosal Resection, EMR)と、②内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection, ESD)の2種類があります。 以前は内視鏡的粘膜切除術(EMR)が技術的に比較的容易な事もあり主に行われていました。しかし、病変が1回の切除で取りきれない事があり、治療後の再発を認める事があるため、より大きな病変でも、一括で完全に切除でき、治療後の再発がほとんどない内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行うようになりました。しかし、合併症も多くなり治療時間がやや長くなる傾向があり、その治療手技には高度な技術が必要となります。
早期大腸癌に対する内視鏡治療は、粘膜内癌,粘膜下層への軽度浸潤癌が対象となります。治療法にはスネアポリペクトミー、内視鏡的粘膜切除術(EMR:endoscopic mucosal resection)と内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD:endoscopic submucosal dissection)があります。当院ではポリペクトミー、EMRによる治療は行っております。
消化器内科ではウイルス性やアルコール性慢性肝炎・肝硬変疾患に対して、 CT・MRI・腹部エコーを頻回に行うことにより肝細胞癌を早期に発見するように努めており、当院での肝細胞癌の治療は、肝細胞癌治療アルゴリズムに準じて行っています。

【呼吸器内科】
肺癌は診断された時点で進行癌(stageⅣ)である事が多い癌です。進行肺癌に対しては従来より抗癌剤を使用した化学療法を行う事が主な治療となっています。しかし、近年は肺癌の研究が進歩して特定の遺伝子を有していた場合には遺伝子に合わせて分子標的治療薬が使用出来るようになっています。分子標的治療薬は少ない副作用で高い効果が期待出来るため、当院では肺癌の検査を行う際には遺伝子検査を行い、患者さんにとって適切な治療が受けられるように努力しています。また免疫療法も標準治療化され効果を認める患者では長期効果が望めるようになっています。
治療を行う際には抗癌剤治療、分子標的治療薬、免疫療法いずれの治療であっても、患者さんの希望に可能な限り沿えるように入院治療あるいは外来通院での治療を選択しています。     
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 26 6.62 52.19
中等症 97 17.09 79.51
重症 13 18.77 81.92
超重症 - - -
不明 - - -
解説:
肺炎全体では自立した生活が困難な高齢者の誤嚥性肺炎が増加していますが、若年者や生活が自立している高齢者でも罹患する市中肺炎も多いです。
当院での市中肺炎の症例数は中等症の割合が最も多く、全体の約7割を占めています。軽症から重症にかけて重症になるほど平均年齢が高く、平均在院日数が長くなっています。
市中肺炎も重症化した場合には死亡する可能性もあるため、発熱、咳嗽、喀痰などの症状がある場合は早めに受診する事が大切です。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
- 10 29.60 77.90 50.00
解説:
現在一人体制で外来のみですが平日は毎日診察をしています。入院治療が必要な患者さんは近隣の連携病院に紹介させていただいておりますので安心して受診してください。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 74 0.65 1.39 0.00 77.62
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 38 1.34 9.71 2.63 67.32
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 29 6.17 10.52 10.34 78.34
K654 内視鏡的消化管止血術 20 0.30 14.40 10.00 74.75
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 14 0.64 1.50 0.00 72.14
解説:
内視鏡的結腸ポリープ切除(1位、5位)では、一般的には大腸カメラは外来で行い、5mm以上の大腸ポリープを認めた時はその場で切除し帰宅としていますが、10mm以上の比較的大きなポリープ、後から出血する可能性がある時には、後日短期間入院していただき、止血剤などの治療にて出血がない事を確認した後に退院としています。
腹水濾過濃縮再静注法とはがんや肝硬変などによってたまった腹水(または胸水)を濾過濃縮して有用なタンパク成分を回収する治療法です。 たまった腹水(または胸水)をバッグに取り出し、その後、濾過器を用いて細菌や癌細胞等を除去した後、濃縮器で除水を行い、アルブミン等の有用な物質を濃縮して再び体内に戻す治療法です。(2位)
3位の内視鏡的乳頭切開術は主に総胆管結石を内視鏡的に取り除く場合、胆管の出口を広げる必要があり、その方法には、内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST: endoscopic sphincterotomy)があります。全身状態、石の大きさ、個数などにより計画的に内視鏡治療を行います。
4位の内視鏡的消化管止血術については、消化管出血による吐下血に対して状態に応じて緊急内視鏡で止血術を行っております。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 23 4.43 14.83 4.35 84.48
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) - - - - -
K5461 経皮的冠動脈形成術(急性心筋梗塞) - - - - -
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) - - - - -
解説:
当科で行っている手術は、冠動脈(心臓の動脈)や末梢(下肢など)の動脈に対するカテーテルインターベンション、徐脈性不整脈に対するペースメーカー手術、上室性頻脈に対するカテーテルアブレーションがあります。手術適応を検討の上、合併症を起こさないように、細心の注意を払って個々の患者さんに適切な治療を行っています。特に冠動脈ステント留置に際し冠動脈造影での狭窄率や狭窄形態に加え、血管内超音波や心筋血流予備量比(FFR)などを用い、治療が必要な場所に最適のサイズのステントを留置するよう心がけています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 55 0.56 1.29 0.00 65.45
K6335 鼠径ヘルニア手術 45 0.76 2.07 0.00 75.51
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 21 0.67 5.24 0.00 64.38
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 18 3.11 17.61 0.00 74.78
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 14 0.50 1.50 7.14 73.50
解説:
ヘルニア手術は100例でそのうち腹腔鏡手術が半数以上占め、今後さらに伸ばしてゆきたいと考えている。腹腔鏡下胆のう摘出術は減少傾向であるが、急性胆のう炎に対しては可能であれば緊急手術を行う方針としている。開業医から在宅で診ている患者のCVポートの埋込依頼も増加している。腹腔鏡下結腸腫瘍切除術は主要な術式であり、今後も症例数増加を目指していきたい。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 139 1.15 28.71 5.76 76.68
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) 128 1.01 33.74 78.12 67.33
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 102 3.12 26.38 50.00 81.04
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股、膝) 53 3.70 27.55 43.40 84.74
K080-52 関節鏡下肩関節唇形成術(腱板断裂を伴わない) 49 0.94 3.98 0.00 26.06
解説:
当科では、筋骨格系疾患の手術、特に膝・肩の関節外科手術と外傷や骨折の手術を数多く行っています。脊椎手術はほとんどありません。トップ5は表に示しておりますように、1位人工膝関節置換術(肩、股、膝)、2位関節鏡下肩腱板断裂術(四肢筋腱損傷)、3位大腿骨、上腕骨の観血的骨折手術、4位人工骨頭挿入術(股)、5位関節鏡下肩関節唇形成術ですが、そのほか関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯)や関節鏡下半月板切除術、骨切り術(下腿)もほぼ同数の症例数があります。転倒・転落・外傷などによる緊急手術や手術目的でご紹介頂いた患者さんを積極的にお受けして早期機能回復に努め、また個々の症例に応じて病診連携を通じ術後リハビリの役割分担を図りながらADLへの復帰を目指しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー等使用) 68 1.84 6.07 1.47 75.74
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 65 1.22 2.95 1.54 61.68
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 63 1.21 4.56 1.59 77.25
K843-2 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術 23 1.00 9.17 0.00 73.43
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 22 1.23 10.09 9.09 72.05
解説:
2025年度は、従来より力を入れております、膀胱腫瘍に対する内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術)や、レーザーを用いた尿路結石症に対する砕石術、前立腺肥大症に対する核出術、上部尿路腫瘍(腎、腎盂、尿管、膀胱など)に対する腹腔鏡手術に加えて、前立腺針生検で検出された前立腺癌患者に対するロボット支援手術(ロボット支援下前立腺全摘除術)に力を入れていきます。すなわち良悪性問わず、あらゆる疾患の低侵襲治療に尽力していきたいと思います。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 184 0.01 0.97 0.00 77.54
K2822 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない) - - - - -
解説:
水晶体再建術は、主に単焦点レンズを使用していますが、焦点深度の広いレンズや、乱視矯正を加味したレンズも患者様に合わせて選択しております。術後屈折度の調整を行い、ニーズに合わせた見える範囲の実現に尽力しています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 46 0.91 5.43 0.00 27.00
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 39 0.00 0.00 0.00 3.92
K370 アデノイド切除術 35 0.94 4.77 0.00 7.43
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 23 0.91 2.22 0.00 45.57
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 - - - - -
解説:
手術症例はクリニカルパスを使用しております。小児の睡眠時無呼吸や成人の習慣性扁桃炎における口蓋扁桃摘出術の症例数が多く、二番目の小児の滲出性中耳炎における鼓膜チュービングは全身麻酔で日帰り手術を行っています。内視鏡下鼻副鼻腔手術は好酸球性副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎に対してナビゲーションシステム(手術支援機器)使用し内視鏡下鼻副鼻腔手術、アレルギー性鼻炎や鼻中隔弯曲症に伴う鼻閉症状に対して内視鏡下鼻腔手術や内視鏡下鼻中隔手術を行っています。急性扁桃炎の重症化による扁桃周囲膿瘍は局所麻酔で切開排膿を行い早期退院を目指しております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 10 0.22
180010 敗血症 同一 16 0.35
異なる 10 0.22
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 11 0.24
異なる - -
◆説明
この指標は、医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして
播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・処置の合併症について、入院契機病名(入院の
きっかけとなった傷病)の同一性の有無を区別して対象患者数と発症率を示したものです。

◆定義
個々の入院において最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固(DPC130100)、敗血症(DPC180010)、
その他の真菌症(DPC180035)、手術・術後の合併症(DPC180040)について患者数をカウントし、全患者に対する
発症率を示す。

◆DPC(130100)播種性血管内凝固症候群
癌、白血病、重症の感染症などの基礎疾患が生じて、多くの臓器に微小な血栓が無数に形成され血管障害や
つまりが生じ、組織に血液が行き渡らず虚血性の壊死を起こし、多臓器の機能不全や出血傾向をきたす症候群で
当院は11件であった

◆DPC(180010)敗血症
肺炎など感染症を起こしている部分から血液中に病原体が入り込み、重篤な全身状態を引き起こす全身性炎症
反応症候群で、当院は26件であった。

◆DPC(180035)その他の真菌感染症
真菌はカビ、酵母、キノコの総称で種類としては、出芽や分裂によって増殖する酵母と菌糸の先端から胞子の飛散
によって増殖する糸状菌(カビ)等に分類される。体内にも普通に存在するが、時に感染症をおこすことがある(真菌
感染症)。感染症の原因となる真菌症は主に糸状菌で白癬菌(水虫菌)、カンジタ菌(カンジタ皮膚炎)、アスペルギ
ルス菌(各種呼吸器疾患)などがある。当院は3件であった。

◆DPC(180040)手術・処置等の合併症
国際的な疾病等の分類(ICD-10分類)の表現を用いた分類表現で、主病名の治療よりも入院中に他の合併症の
医療資源が優先された分類であり、当院は12件であった。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
725 686 94.62
解説:
静脈血栓塞栓症(VTE)は手術後や急性内科疾患での入院中などに多く発症します。本邦において、肺血栓塞栓症(PTE)が発症した場合の院内死亡率は14%と報告されており、その40%以上が発症1時間以内の突然死です。したがって、臨床診断率の向上だけでは予後の改善は達成できず、発症予防は不可欠といえます。
当院では対策チームを結成し、2014年より、入院されるほぼすべての方にスクリーニングを行い、それぞれのリスクの高さに応じた予防策を行っています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1070 957 89.44
解説:
血液中は本来無菌状態ですが、何らかの感染や外傷などにより細菌が血液中に入り込んでしまう事があります。血液中の細菌は血流に乗って増殖しながら、全身へと運ばれて行き、重篤な病態を引き起こす可能性があります。その細菌を見つけるための検査が血液培養です。
血液培養の検出感度は1セットでは73.1%、2セットでは89.7%という報告があります。そのため、採血する場所や時間を変えて複数セット採取する事が望ましいとされています。
当院では、院内全体で血液培養2セット採取に取り組んでおり、感染対策チーム、抗菌薬適正支援チームによる院内研修会を開催し意識向上に努めています。さらに、1セット依頼時は看護師や臨床検査技師から医師へ確認する事もあります。また、血液培養2セット実施率をモニタリングし、院内で情報を共有する事で、高い実施率を維持しています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
306 264 86.27
解説:
抗菌薬の適正使用には抗菌薬開始前の細菌培養提出が重要であるため、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)のチーム目標のひとつとして全ての感染症治療時の抗菌薬開始前の細菌培養提出率向上に取り組んでいます。
また、当院は指定抗菌薬使用届出制度を導入しており、広域スペクトル抗菌薬(メロペネム、ピペラシリン/タゾバクタム)と抗MRSA薬を処方する際、医師からの届け出が必要です。届け出内には、「感染症名(疑い)」および「細菌培養提出の有無」を記載する必要があり、培養提出がない場合にはその理由を合わせて記載するよう求めています。
広域スペクトル抗菌薬使用症例はASTカンファレンス(週2回)の対象症例であり、細菌培養結果などを基に広域スペクトル抗菌薬使用の妥当性等を多職種で検討しています。カンファレンス内で話し合われた内容は適宜、処方医に対してフィードバックを行い、抗菌薬の適正使用を推進しています。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
61709 112 1.81
解説:
本指標は、集計期間中における延入院患者数の中で、転倒・転落が発生した件数を1,000人あたりの比率で示しています。
入院中の患者さんの転倒やベッドからの転落は少なくありません。原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなものがあり、自宅にいるとき以上に転倒・転落リスクは高くなります。このため、患者さん個々に対応した環境整備や行動を予測した予防対策など、転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みを推進しています。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
- - -
解説:
本指標は、集計期間中における延入院患者数の中で、転倒・転落により手術や大きな処置を必要とする傷害発生事例の報告件数を1,000人あたりの比率で示しています。
転倒・転落により患者さんに傷害が発生したものと、傷害には至らなかった事例の発生率を追跡するとともに、転倒・転落発生事例を分析する事で、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなります。このような分析から導かれた予防策を実施して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、傷害予防につながります。
当院では転倒・転落防止対策チームが予防ラウンドや転倒・転落後カンファレンスを多職種で実施する仕組みを構築し、それぞれの患者さんに合った転倒・転落予防対策、また外傷を軽減するような取り組みを行なっています。今回当院の発生件数は10件未満の小さい値-(ハイフン)であり、良好な結果となっています。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
227 226 99.56
解説:
術前に適切なタイミングで抗菌薬を投与する事は、手術部位感染の発生を防ぐために非常に重要であり、中でも、「手術開始前60分以内」に投与する事が、最も効果的とされています。当院における「手術開始前60分以内」の投与率は99%以上と極めて高い数値であり、術後感染症防止対策が適切に行われている事を示唆するものと考えています。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
59079 36 0.06
解説:
褥瘡は寝たきりの患者さんのみに発生するのではなく、長期間の車椅子利用者や医療関連機器使用中の患者さんにも発生します。
全身状態によっては短期間のうちに発生する事もありますが、一度発生すると患者さんの苦痛を伴い、入院期間の延長や医療費の増加にもつながるため、日頃からの褥瘡予防の取り組みと早期発見・対応が重要となります。
第5回(2021年度)日本褥瘡学会実態調査報告では、一般病院における褥瘡の推定発生率は1.07となっていますが、
2024年度の当院でd2以上の褥瘡発生率は0.06と実態調査に比較して低い数値でした。
当院では褥瘡対策チームを中心として、褥瘡保有者を対象に週1回の褥瘡ラウンドを実施しています。
ラウンド時にはDESIGN-Rでの評価や軟膏の変更だけでなく、管理栄養士や理学療法士とも状況を共有する事で、
食事提供内容の検討や、普段のリハビリテーションやポジショニングについても活用する事を意識しています。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
3050 2819 92.43
解説:
低栄養状態は治療効果の低下につながり、死亡率の増加や入院期間の延長など予後に大きく関係するため、入院患者さんで低栄養リスクのある方に早期に介入し、栄養状態を改善する取り組みは重要です。
特に高齢者は低栄養のリスクがある事も多いため、管理栄養士が平日は必ず、入院後48時間以内に65歳以上の方へ、GLIM基準(Global Leadership Initiative on Malnutrition:低栄養診断基準)による栄養アセスメントを行い、低栄養リスクの患者さんの抽出、低栄養状態の重症度を評価しています。
必要に応じてNST(栄養サポートチーム)が介入し、主治医とともに栄養状態の早期改善を図ります。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
61709 2901 4.7
解説:
2020年度の身体拘束実施率の全国平均は11.6%です。(このデータは病院の種類や時期によっても異なる)また、当院での身体的拘束の種類は不動手袋・車椅子用安全ベルト・抑制服・リムホルダー・体幹ベルト・車椅子テーブル・高柵・条件付きでの4点柵とし、その実施率は4.7%となっています。2025年度には身体的拘束最小化チームも発足し、さらに最小化への取り組みを継続・強化しています。
更新履歴
2025/9/29
公開