令和5年度 マツダ 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 161 138 108 135 233 424 611 1185 1210 408
指標の説明
2023年4月~2024年3月の期間、保険(公費、生活保護を含む)を使用した一般病棟の年齢階級別(10歳刻み)退院患者数を表し、年齢階級は、90歳以上を1つの階級としています。
◆解説                                                                                              年齢分布傾向は70歳未満の占める割合は40%、70歳以上の割合が60%で昨年と変わっていませんが、昨年と変わり80歳代の患者数が最も多くなり、90歳代も増加しています。70歳代の患者数も変わらず多く、超高齢化がさらに進んでいます。 
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 60 26.55 20.60 31.67 85.38
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 49 13.16 18.65 4.08 74.18
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 32 2.00 2.03 0.00 57.09
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 25 3.00 2.98 0.00 74.16
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし A-DROP スコア1 16 12.00 13.88 6.25 83.69
解説:
超高齢社会に伴い誤嚥性肺炎や高齢者肺炎が増加しています。当科では標準的な誤嚥性肺炎治療が行えるようなシステムを構築し院内全体で誤嚥性肺炎治療に取り組んでいます。必要に応じて個人に合わせた酸素療法も行っております。嚥下機能が低下して誤嚥性肺炎を生じた患者さんでは歯科と連携をとり嚥下機能評価などを行います。また早期よりリハビリ介入を行い早期に退院を目指せるような取り組みも行っています。

間質性肺炎は原因不明の特発性間質性肺炎、吸入抗原を吸入することで発症する間質性肺炎、薬剤に起因する薬剤性肺炎、膠原病に合併する間質性肺炎などが主体となっています。しかしこれらの間質性肺炎を正確に鑑別する事は困難な事が多いです。当院では間質性肺炎患者に対しては積極的に気管支鏡検査を行い可能な限り原因検索と治療に生かす事に努めています。

睡眠時無呼吸症候群は我が国では200万人近い患者がいると推定されていますが診断・治療を受けている患者さんは30万人程度にとどまっています。睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病や脳卒中、心筋梗塞のリスクも高くなるため早めの診断・治療が必要です。当科では睡眠時無呼吸症候群が疑われ紹介受診した患者さんにPSG検査やCPAP治療を導入し逆紹介を行っています。

日本人の死因の第一位は癌であり、特に肺癌は癌死の中で男性では第一位、女性でも第二位となっており年々増加しております。当科では肺癌に対して積極的に検査を行い、手術不能な状態であれば化学療法を入院および外来で行っています。近年は遺伝子検査を行い特定の遺伝子が存在すれば分子標的治療薬を用いて長期予後が望めるようになってきています。また免疫療法の効果が認められる患者でも長期効果が望めるようになっているため積極的な導入を行っています。

消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 72 5.31 7.58 0.00 74.75
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 61 2.36 2.61 0.00 75.79
060280xxxxxxxx アルコール性肝障害 49 14.04 12.91 4.08 62.45
060241xx99xxxx 痔核 手術なし 22 2.18 4.96 0.00 75.95
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 19 26.53 20.60 21.05 84.42
解説:
大腸憩室に炎症を起こす大腸憩室炎です。絶食による腸管安静と抗菌薬投与が治療の基本になります。(1位)
当科では大腸ポリープを内視鏡(大腸カメラ)にて切除しています。一般的には大腸カメラは外来で行い、5~10mmの大腸ポリープを認めた時にはその場で切除し帰宅としていますが、10mm以上の比較的大きなポリープや血液をサラサラにする薬を飲まれている場合、出血の危険性が比較的高いと判断した時や、ポリープの一部に癌が存在すると考えられた時には、その場では観察のみとさせていただき、後日短期間入院にて切除する事もあります。また、御高齢の方は安全のためにも最初から入院にて検査を行いますが、結果的に大腸ポリープ(主には良性腫瘍)が存在した時には内視鏡的切除を行っています。(2位)
アルコールの過剰摂取で起こった脂肪肝をアルコール性脂肪肝といいますが、ほうっておくと次第に、肝炎、肝線維症、肝硬変、肝臓がんに進行する可能性があります。治療の大前提は禁酒ですが、必要あれば精神科紹介等を行います。(3位)
排便時の出血の原因の一つに痔疾患があります。当科では生活指導や薬物療法を行いますが、状態によっては外科、肛門科に紹介し治療を行います。(4位)
高齢化社会に伴い誤嚥性肺炎が増加している事が原因です。当科では標準的な肺炎治療が行えるようなシステムを構築し院内全体で肺炎治療に取り組んでいます。必要に応じて個人に合わせた酸素療法も行っております。また肺炎球菌は肺炎の原因として最も多い細菌であるため肺炎球菌ワクチンの積極的接種も行っています。嚥下機能が低下して誤嚥性肺炎を生じた患者では歯科と連携をとり嚥下機能評価などを行い誤嚥性肺炎の再発の予防にも努めています。(5位)
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 110 21.21 17.38 10.91 83.96
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 29 34.41 20.60 58.62 86.03
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 20 10.15 9.77 0.00 83.40
050130xx9902xx 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 19 21.68 23.74 5.26 83.47
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 18 14.61 13.52 16.67 81.22
解説:
当科では虚血性心疾患や心不全などの代表的な心疾患を、救急を含めて24時間体制で引き受けています。心エコー、運動負荷試験、心臓CT、心筋シンチグラムなどの非侵襲的な検査を外来で行い、必要に応じて入院での精査治療を行っています。治療に関しては各種疾患の治療ガイドラインを考慮して、個々の患者さんに最適な治療方針を毎日のカンファレンスで決定しています。冠動脈疾患に関してはカテーテル治療および生活習慣の改善を含めた動脈硬化危険因子の改善、心不全に対しては薬物治療およびASV(マスクによる人工呼吸)などの非薬物治療を行っています。高血圧・心不全疾患に対し定期的に勉強会を開催しています。心臓リハビリプログラムによる心不全再発予防にも取り組んでいます。重症閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP導入、指導も積極的に取り入れており、精密診断のための一泊入院もあります。頻脈性心房細動に対する電気的除細動、心不全を呈する徐脈性不整脈に対するペースメーカー治療も行います。
当院の入院患者さんの特徴として高齢者が多く、特に心不全では入退院を繰り返す症例、嚥下障害で肺炎を併発する症例、尿路感染を併発する症例が多く、在院日数も長くなる傾向があります。リハビリ、嚥下訓練を行い個々の症例に応じた良い状態への回復を目指しています。
糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり 35 14.91 13.99 2.86 65.46
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 11.09 13.15 0.00 54.64
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 なし - - 10.66 - -
100120xx99xxxx 肥満症 手術なし - - 14.58 - -
10008xxxxxx1xx その他の糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり - - 19.00 - -
解説:
主任部長が糖尿病専門医であるばかりでなく、肝臓病、消化器病、老年医学専門医でもあるという特性を生かし、肝性糖尿病、膵性糖尿病、高齢者糖尿病に対する加療、血糖コントロールを得意とするところが当科の特徴でもある。また、県下で唯一の日本肥満学会認定肥満症専門病院として、病的肥満症に対するフォーミュラ食を用いた低カロリーダイエット療法入院を行っており、大きな成果を上げている。入院での肥満症治療が不可能な患者さんには2018年度より、栄養指導と組み合わせた3か月間のサノレックス療法を外来パス化し、同様に取り組んでいる。肥満症に対する新規薬剤などが本邦でも使用開始となってきている中、2024年よりは、2型糖尿病、2次性糖尿病の待機的な教育入院だけではなく、低血糖昏睡時、急性発症、急性増悪時、また血糖コントロール不良患者に嚥下性肺炎や泌尿器感染症や敗血症を合併した症例などの緊急入院に対しても、糖尿病療養チームが中心となった多職種介入の上での療養、加療を直ちに開始出来るシステムを構築している。毎月2週にわたる全9コマの糖尿病教室を開催しており、入院患者のみならず、外来、近隣患者も無料で受講できるようになっている。
入院中に糖尿病合併症及び、糖尿病で多いとされる、がん、骨粗鬆症、認知症、睡眠時無呼吸症候群などを積極的に評価し、問題があれば総合病院であるメリットを生かし、他科と連携加療を直ちに開始するようにしている。他科手術前後の血糖管理も多数行い、入院加療向上、入院日数低減のための後方支援も行っている。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 19 5.53 5.62 0.00 2.58
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 19 5.84 6.37 0.00 2.11
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病 なし 14 4.93 8.61 0.00 3.50
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) - - 5.96 - -
0400801099x00x 肺炎等(1歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 5.91 - -
解説:
小児は解剖学的・免疫学的特性から感染症に罹患する機会が多く、また重篤化する事も多い。このため感染症に関連した入院機会が多くなる。学校・幼稚園・保育園など集団生活の場では呼吸器・消化器感染症の伝染・流行が普遍的にみられており、幼児から未就園の弟・妹への伝染も同様に認められる。
感染症の重症度判定や原因微生物特定のため、血液・尿検査や微生物抗原検査、細菌培養検査などを治療に先立ち実施する必要があるが、小児患者では検体採取に困難を伴う事も多い。感染部位の特定・病巣の状態把握のため画像検査を実施する際、安静が保てず検査困難な場合には鎮静剤を用いるが、小児の鎮静を安全に行うには技量に精通した小児科医・麻酔科医による実施が必要とされる。当科では専門性を持つ医師が担当している。
乳幼児では感冒に引き続き病原体が下気道に侵入し、気管支炎・肺炎など下気道炎を発症する機会が多い。発熱遷延・咳嗽悪化・多呼吸・努力呼吸などから存在を疑い、精査・診断する。細菌性を疑う症例では抗菌薬治療を行い、また気管支喘息合併例あるいはウイルス性の乳児肺炎・細気管支炎例では重症化予防を目的にステロイド薬投与も考慮される。発熱や咳嗽・呼吸努力のためエネルギー消費量の増加・水分需要の増加がみられる一方で、食事・水分摂取量の低下を認める患者がほとんどであり、積極的に経静脈補液を行う必要がある。また低酸素血症予防のため、酸素投与を含めた呼吸管理が必要となる。小児患者では状態急変が多い一方で、乳幼児では自ら適切に主観症状を伝える事も困難なため、経時的な評価により他覚的に異変を察知する必要がある。日本を含め先進国では肺炎による小児死亡率は低いとされるが、世界的には小児死亡の15%と推計されており予断は許されない。
2歳未満の小児では下気道感染症罹患に際し喘鳴を認めることが多く、乳児喘息・非IgE喘息などと呼称される。乳児喘息のうち喘鳴を反復し認めるものや家族および本人にアトピー素因を認めるものに関しては気管支喘息である可能性が高くなる。2歳以上の小児に反復して喘鳴を認める場合も気管支喘息である可能性が高い。血清総IgEの上昇やRAST等で吸入抗原に対する感作を確認し、気管支拡張剤に対する治療反応性の観察などを行い診断する。吸入ステロイド薬等による予防治療の有効性から入院例は減少しているが、未診断・充分な予防治療の実施されていない年少児で入院治療を必要とする症例は依然多い。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 122 2.17 4.55 0.00 65.58
060035xx99x5xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 5あり 37 3.11 4.18 0.00 73.43
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 6あり 30 3.77 4.42 0.00 70.93
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 24 14.88 15.12 0.00 75.33
060035xx99x7xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 7あり 22 3.68 4.72 0.00 62.82
解説:
鼠径ヘルニア手術は腹腔鏡手術を中心に、患者さんのニーズに合った術式、入院形態を提案している。悪性腫瘍疾患は、横這い傾向であるが、大腸癌の補助化学療法は増えてきている。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160610xx01xxxx 四肢筋腱損傷 靱帯断裂形成手術等 118 34.00 15.58 67.80 65.27
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 117 30.24 25.50 58.97 84.90
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 80 23.34 13.04 0.00 26.59
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 77 27.99 21.56 1.30 77.36
160620xx02xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 関節滑膜切除術等 53 8.38 6.78 0.00 46.68
解説:
当科の特徴は、膝および肩の関節外科に専門性があり症例の大多数を占めています。全体の9割が手術目的の受診で、地域外からの紹介も多数あります。肩腱板断裂や変形性関節症などの慢性疾患のほか、プロやセミプロチームのチームドクターがいるため、膝の半月板損傷や十字靭帯断裂、肩の反復性肩関節脱臼、関節唇損傷などのスポーツ外傷も多い事が特徴です。また、地域の基幹病院として近隣の救急外傷は積極的に受け入れており、大腿骨頚部骨折や脊椎骨折のほか交通外傷・労災外傷も増加しています。手術後のリハビリ治療などにより平均在院日数が全国平均よりやや長くなっています。肩腱板断裂や大腿骨頚部骨折(人工骨頭挿入等)の患者さんは、地域連携病院と治療計画を共有する事で転院を可能とし在院日数の短縮を図っています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 26 7.12 9.29 0.00 68.08
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 20 8.75 12.88 0.00 67.80
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし - - 4.28 - -
080006xx97x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) その他の手術あり 手術・処置等2 なし - - 9.40 - -
080190xxxxxxxx 脱毛症 - - 3.31 - -
解説:
最も多い入院疾患は、蜂窩織炎や丹毒などの皮膚細菌感染症です。また帯状疱疹、水痘などのウイルス感染症も中等症~重症であれば入院適応となります。皮膚良性、悪性腫瘍(黒色腫以外)の手術を行っており、良性であっても部位やサイズによっては入院される場合もあります。急性期の進行期脱毛症ではステロイドパルス療法のための短期入院を行っています。薬疹、中毒疹では、重症例では入院の上、ステロイド全身投与治療を主体に加療しています。難病である、天疱瘡や類天疱瘡では、中等症~重症例は入院加療をおこなっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 121 2.02 2.44 0.00 71.48
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 80 10.00 7.75 0.00 76.13
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし 61 5.41 5.22 3.28 64.59
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 46 7.74 6.85 2.17 78.46
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 42 11.24 11.19 0.00 72.00
解説:
当科は尿路全般の悪性疾患および良性疾患の患者さんを多く受け入れております。今までは3位の尿路結石症に対するレーザーを用いた砕石術や2位の前立腺肥大症に対するレーザーを用いた核出術に力を入れておりました。今後は、(1位であります)前立腺針生検で検出された前立腺癌患者に対する手術(腹腔鏡下またはロボット支援下前立腺全摘除術)患者の増加が見込まれます。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 28 1.25 2.54 0.00 75.00
解説:
当院での白内障手術は、基本的には1泊2日の入院で行っております。患者様のご都合により入院が難しい場合には日帰り手術センターを利用した日帰り入院の対応を行っております。どちらの場合でも術前術後にゆっくり休養できるよう環境を整えています。
【補足】
白内障に関しましては、集計対象外となる病棟へ入院するケースもあるため実際の件数は291件となっております。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 60 7.00 7.53 0.00 17.27
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 36 5.17 6.02 0.00 57.14
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 25 6.96 5.51 0.00 44.04
030430xx97xxxx 滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞 手術あり 22 1.00 3.23 0.00 3.23
030240xx01xx0x 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 定義副傷病 なし 14 6.21 7.52 0.00 46.64
解説:
耳・鼻・咽喉・頸部の病気の診断とともに入院治療(手術等)を行っています。近郊の耳鼻咽喉科医院あるいは他の診療科からの紹介が多いのが特徴です。診療対象は中耳炎・副鼻腔炎・扁桃炎等の急性・慢性炎症疾患をはじめ、めまい・突発性難聴・顔面神経麻痺などの神経耳科疾患、頭頸部の良性および悪性腫瘍を含め耳鼻咽喉科の頭頸部外科全域をカバーしています。小児の睡眠時無呼吸や習慣性扁桃炎に対する、アデノイド切除術・口蓋扁桃摘出術の症例数が最多で、急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍などの重症感染症の入院がついで多くなっています。めまいなどの前庭機能障害は救急車で来院されるケースが多く、入院の上精査・加療を行っております。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 32 7.84 9.88 6.25 80.03
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 23 14.70 15.70 26.09 74.70
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 23 16.70 8.38 21.74 69.61
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 21 15.76 19.09 42.86 71.00
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 18 2.00 2.03 0.00 57.94
解説:
主に、脳梗塞、脳動脈瘤、脳血管狭窄等の脳卒中と頭部外傷、てんかん、顔面けいれん、三叉神経痛などの機能的脳神経外科の治療を行っています。脳血管内治療をはじめとする侵襲の少ない治療を行っていることが特徴です。慢性硬膜下血腫の治療は無剃毛で約2㎜の穿孔で行っており、術後の安静も必要なく、術後、早期の離床が可能です。水頭症手術は低侵襲の腰椎腹腔シャント術を行っています。顔面けいれん、三叉神経痛の治療は神経モニタリングを行い安全に行っています。また脳ドックも壮年期を中心に行っており、脳血管障害を未然に防ぐため睡眠時無呼吸症候群の精査治療に力をいれています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 21 2 3 17 3 5 1 8
大腸癌 18 30 55 88 7 76 1 8
乳癌 6 3 7 0 0 1 1 8
肺癌 5 9 15 31 22 15 1 8
肝癌 0 0 1 0 0 2 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
解説:
【外科】
胃癌は全国的に手術件数は減少傾向があるが、当院では癌拠点病院からあふれた高齢の患者さんが多く、標準治療のできないケースも少なくない。大腸癌は比較的症例数は安定しているが、胃癌同様高齢者が多い傾向にある。胃癌、大腸癌ともに腹腔鏡手術を中心に診療している。乳癌は専門医は不在だが、当院での治療を希望される患者を対象としている。

【消化器内科】
早期胃癌に対する内視鏡治療は、局所的な治療のため、胃壁外のリンパ節に転移がない病変が対象となります。胃癌治療ガイドラインに沿って内視鏡治療適応を決定します。早期胃癌に対する内視鏡治療には、①内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic Mucosal Resection, EMR)と、②内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection, ESD)の2種類があります。以前は内視鏡的粘膜切除術(EMR)が技術的に比較的容易な事もあり主に行われていました。しかし、病変が1回の切除で取りきれない事があり、治療後の再発を認める事があるため、より大きな病変でも、一括で完全に切除でき、治療後の再発がほとんどない内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行うようになりました。しかし、合併症も多くなり治療時間がやや長くなる傾向があり、その治療手技には高度な技術が必要となります。
早期大腸癌に対する内視鏡治療は、粘膜内癌,粘膜下層への軽度浸潤癌が対象となります。治療法にはスネアポリペクトミー、内視鏡的粘膜切除術(EMR:endoscopic mucosal resection)と内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD:endoscopic submucosal dissection)があります。当院ではポリペクトミー、EMRによる治療は行っております。
消化器内科ではウイルス性やアルコール性慢性肝炎・肝硬変疾患に対して、 CT・MRI・腹部エコーを頻回に行うことにより肝細胞癌を早期に発見するように努めており、当院での肝細胞癌の治療は、肝細胞癌治療アルゴリズムに準じて行っています。

【呼吸器内科】
肺癌は診断された時点で進行癌(stageⅣ)である事が多い癌です。進行肺癌に対しては従来より抗癌剤を使用した化学療法を行う事が主な治療となっています。しかし、近年は肺癌の研究が進歩して特定の遺伝子を有していた場合には遺伝子に合わせて分子標的治療薬が使用出来るようになっています。分子標的治療薬は少ない副作用で高い効果が期待出来るため、当院では肺癌の検査を行う際には遺伝子検査を行い、患者さんにとって適切な治療が受けられるように努力しています。また免疫療法も標準治療化され効果が認める患者では長期効果が望めるようになっています。
治療を行う際には抗癌剤治療、分子標的治療薬、免疫療法いずれの治療であっても、患者さんの希望に可能な限り沿えるように入院治療あるいは外来通院での治療を選択しています。   
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 23 9.22 57.17
中等症 73 14.78 78.33
重症 10 24.00 87.20
超重症 1 47.00 90.00
不明 - - -
解説:
肺炎全体では自立した生活が困難な高齢者の誤嚥性肺炎が増加していますが、若年者や生活が自立している高齢者でも罹患する市中肺炎も多いです。
当院での市中肺炎の症例数は中等症の割合が最も多く、全体の約7割を占めています。軽症から重症にかけて重症になるほど平均年齢が高く、平均在院日数が長くなっています。
市中肺炎も重症化した場合には死亡する可能性もあるため、発熱、咳嗽、喀痰などの症状がある場合は早めに受診する事が大切です。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 100 22.46 79.36 28.33
その他 20 16.25 78.00 4.17
解説:
脳梗塞急性期の治療に力を入れています。脳梗塞急性期の血栓回収術で来院から動脈穿刺までは平均48分と迅速に行える体制を整えています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 61 0.87 1.64 1.64 77.05
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 37 1.68 5.16 2.70 66.19
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 19 0.95 7.11 0.00 71.53
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 17 4.35 7.06 0.00 72.65
K654 内視鏡的消化管止血術 15 0.93 10.87 0.00 76.80
解説:
内視鏡的結腸ポリープ切除(1位)では、一般的には大腸カメラは外来で行い、5mm以上の大腸ポリープを認めた時はその場で切除し帰宅としていますが、10mm以上の比較的大きなポリープ、後から出血する可能性がある時には、後日短期間入院していただき、止血剤などの治療にて出血がない事を確認した後に退院としています。
腹水濾過濃縮再静注法とはがんや肝硬変などによってたまった腹水(または胸水)を濾過濃縮して有用なタンパク成分を回収する治療法です。 たまった腹水(または胸水)をバッグに取り出し、その後、濾過器を用いて細菌や癌細胞等を除去した後、濃縮器で除水を行い、アルブミン等の有用な物質を濃縮して再び体内に戻す治療法です。(2位)
3位は胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)です。高周波ナイフでがんの周りの粘膜を切開したのち、更に粘膜下層を剝離して切除を行っています。術前に内視鏡検査を行い、基本的には絶対適応病変に対して内視鏡的治療を行っています。
4位の内視鏡的乳頭切開術は主に総胆管結石を内視鏡的に取り除く場合、胆管の出口を広げる必要があり、その方法には、内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST: endoscopic sphincterotomy)があります。全身状態、石の大きさ、個数などにより計画的に内視鏡治療を行います。
5位の内視鏡的消化管止血術については、消化管出血による吐下血に対して状態に応じて緊急内視鏡で止血術を行っております。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 12 3.75 8.33 0.00 81.08
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 12 1.08 1.42 8.33 75.67
K597-2 ペースメーカー交換術 - - - - -
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) - - - - -
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) - - - - -
解説:
当科で行っている手術は、冠動脈(心臓の動脈)や末梢(下肢など)の動脈に対するカテーテルインターベンション、徐脈性不整脈に対するペースメーカー手術、上室性頻脈に対するカテーテルアブレーションがあります。手術適応を検討の上、合併症を起こさないように、細心の注意を払って個々の患者さんに適切な治療を行っています。特に冠動脈ステント留置に際し冠動脈造影での狭窄率や狭窄形態に加え、血管内超音波や心筋血流予備量比(FFR)などを用い、治療が必要な場所に最適のサイズのステントを留置するよう心がけています。急性心筋梗塞への救急対応は24時間当番が待機して緊急治療を行っています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 76 0.43 0.99 0.00 69.78
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 48 0.17 1.17 0.00 59.38
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 24 3.58 11.83 0.00 74.04
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 23 0.48 5.57 0.00 62.74
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 19 0.84 0.89 0.00 68.53
解説:
ヘルニア手術は全体で120例を超え、腹腔鏡手術も次第に増加しており今後さらに伸ばしてゆきたいと考えている。腹腔鏡下胆のう摘出術は減少傾向であるが、急性期手術を行う方針としている。開業医から在宅で見ている患者のCVポートの埋込依頼も増加している。腹腔鏡下結腸腫瘍切除術は主要な術式であり、今後も症例数増加を目指していきたい。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(膝) 128 1.15 27.85 2.34 77.22
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) 120 0.99 32.01 66.67 65.48
K0461 骨折観血的手術(大腿) 100 3.25 24.19 41.00 79.04
K0811 人工骨頭挿入術(股) 55 3.85 24.51 58.18 83.04
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 54 0.98 20.41 0.00 26.15
解説:
当科では、筋骨格系疾患の手術、特に膝・肩の関節外科手術と外傷や骨折の手術を数多く行っています。脊椎手術はほとんどありません。トップ5は表に示しておりますように、1位人工膝関節置換術(膝、股、肩)、2位関節鏡下肩腱板断裂術(四肢筋腱損傷)、3位大腿骨、上腕骨の観血的骨折手術、4位人工骨頭挿入術(股)、5位関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯)ですが、そのほか肩関節唇形成術や関節鏡下半月板切除術、骨切り術(下腿)もほぼ同数の症例数があります。転倒・転落・外傷などによる緊急手術や手術目的でご紹介頂いた患者さんを積極的にお受けして早期機能回復に努め、また個々の症例に応じて病診連携を通じ術後リハビリの役割分担を図りながらADLへの復帰を目指しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー等使用) 75 1.28 7.59 0.00 75.76
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 63 1.32 3.52 3.17 65.08
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 60 1.38 5.68 1.67 77.68
K843-2 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術 41 1.00 9.22 0.00 72.29
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 24 1.00 12.13 0.00 73.25
解説:
2023年度は、膀胱腫瘍に対する内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術)や、レーザーを用いた尿路結石症に対する砕石術、前立腺肥大症に対する核出術に力を入れておりました。今後は、前立腺針生検で検出された前立腺癌患者に対する手術(腹腔鏡下またはロボット支援下前立腺全摘除術)患者や上部尿路腫瘍(腎、腎盂、尿管、膀胱など)に対する腹腔鏡手術をはじめとした低侵襲治療に力を入れていきます。すなわち良悪性問わず、あらゆる疾患の低侵襲治療に尽力していきたいと思います。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 28 0.00 0.25 0.00 75.00
解説:
水晶体再建術は、主に単焦点レンズを使用していますが、焦点深度の広いレンズや、乱視矯正を加味したレンズも患者様に合わせて選択しております。術後屈折度の調整を行い、ニーズに合わせた見える範囲の実現に尽力しています。
【補足】
白内障に関しましては、集計対象外となる病棟へ入院するケースもあるため実際の件数は291件となっております。
 1位 K2821ロ水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 288件
 2位 K2822水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない) 2件
 3位 K279硝子体切除術 1件
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 49 0.94 5.67 0.00 19.43
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 22 0.00 0.00 0.00 3.23
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 18 0.89 3.67 0.00 58.11
K340-4 内視鏡下鼻・副鼻腔手術2型(副鼻腔単洞手術) 14 0.93 2.86 0.00 57.00
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 14 0.07 4.36 0.00 47.07
解説:
手術症例はクリニカルパスを使用しております。小児の睡眠時無呼吸や成人の習慣性扁桃炎におけるアデノイド切除術・口蓋扁桃摘出術の症例数が多く、二番目の小児の滲出性中耳炎における鼓膜チュービングは全身麻酔で日帰り手術を行っています。内視鏡下鼻副鼻腔手術は好酸球性副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎に対してナビゲーションシステム(手術支援機器)使用し、アレルギー性鼻炎や鼻中隔弯曲症に伴う鼻閉症状に対して内視鏡下鼻腔手術1型や内視鏡下鼻中隔手術1型を行っています。急性扁桃炎の重症化による扁桃周囲膿瘍は局所麻酔で切開排膿を行い早期退院を目指しております。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 27 0.04 7.37 7.41 80.48
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -
K1781 脳血管内手術(1箇所) - - - - -
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - - - - -
K1742 水頭症手術(シャント手術) - - - - -
解説:
慢性硬膜下血腫の治療は無剃毛で約2㎜の穿孔で行っており、術後の安静も必要なく、術後、早期の離床が可能です。経皮的頸動脈ステント留置術はパス入院となっており安全な治療が行えるようになっています。脳梗塞急性期の経皮的血栓回収術では来院から動脈穿刺までは平均48分と迅速に行える体制を整えています。脳動脈瘤に対する根治術は脳血管内手術を第一選択としておりますが、開頭術が必要な場合には術中モニタリングを行い安全な治療を心がけています。水頭症手術はより低侵襲な腰椎腹腔シャント術を安全確実に施行できるよう手技を工夫しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 1 0.02
異なる 12 0.26
180010 敗血症 同一 17 0.37
異なる 15 0.33
180035 その他の真菌感染症 同一 2 0.04
異なる 1 0.02
180040 手術・処置等の合併症 同一 13 0.28
異なる 1 0.02
◆説明
この指標は、医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして
播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・処置の合併症について、入院契機病名(入院の
きっかけとなった傷病)の同一性の有無を区別して対象患者数と発症率を示したものです。

◆定義
個々の入院において最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固(DPC130100)、敗血症(DPC180010)、
その他の真菌症(DPC180035)、手術・術後の合併症(DPC180040)について患者数をカウントし、全患者に対する
発症率を示す。

◆DPC(130100)播種性血管内凝固症候群
癌、白血病、重症の感染症などの基礎疾患が生じて、多くの臓器に微小な血栓が無数に形成され血管障害や
つまりが生じ、組織に血液が行き渡らず虚血性の壊死を起こし、多臓器の機能不全や出血傾向をきたす症候群で
当院は13件であった

◆DPC(180010)敗血症
肺炎など感染症を起こしている部分から血液中に病原体が入り込み、重篤な全身状態を引き起こす全身性炎症
反応症候群で、当院は32件であった。

◆DPC(180035)その他の真菌感染症
真菌はカビ、酵母、キノコの総称で種類としては、出芽や分裂によって増殖する酵母と菌糸の先端から胞子の飛散
によって増殖する糸状菌(カビ)等に分類される。体内にも普通に存在するが、時に感染症をおこすことがある(真菌
感染症)。感染症の原因となる真菌症は主に糸状菌で白癬菌(水虫菌)、カンジタ菌(カンジタ皮膚炎)、アスペルギ
ルス菌(各種呼吸器疾患)などがある。当院は3件であった。


◆DPC(180040)手術・処置等の合併症
国際的な疾病等の分類(ICD-10分類)の表現を用いた分類表現で、主病名の治療よりも入院中に他の合併症の
医療資源が優先された分類であり、当院は14件であった。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
751 723 96.27
解説:
静脈血栓塞栓症(VTE)は手術後や急性内科疾患での入院中などに多く発症します。本邦において、肺血栓塞栓症(PTE)が発症した場合の院内死亡率は14%と報告されており、その40%以上が発症1時間以内の突然死です。したがって、臨床診断率の向上だけでは予後の改善は達成できず,発症予防は不可欠といえます。
当院では対策チームを結成し、2014年より、入院されるほぼすべての方にスクリーニングを行い、それぞれのリスクの高さに応じた予防策を行っています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1106 995 89.96
解説:
血液中は本来無菌状態ですが、何らかの感染や外傷などにより細菌が血液中に入り込んでしまうことがあります。血液中の細菌は血流に乗って増殖しながら、全身へと運ばれて行き、重篤な病態を引き起こす可能性があります。その細菌を見つけるための検査が血液培養です。
血液培養の検出感度は1セットでは73.1%、2セットでは89.7%という報告があります。そのため、採血する場所や時間をかえて複数セット採取することが望ましいとされています。
当院では、院内全体で血液培養2セット採取に取り組んでおり、感染対策チーム、抗菌薬適正支援チームによる院内研修会を開催し意識向上に努めています。さらに、1セット依頼時は看護師や臨床検査技師から医師へ確認することもあります。また、血液培養2セット実施率をモニタリングし、院内で情報を共有することで、高い実施率を維持しています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
307 283 92.18
解説:
抗菌薬の適正使用には抗菌薬開始前の細菌培養提出が重要であるため、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)のチーム目標のひとつとして全ての感染症治療時の抗菌薬開始前の細菌培養提出率向上に取り組んでいます。
また、当院は指定抗菌薬使用届出制度を導入しており、広域スペクトル抗菌薬(メロペネム、ピペラシリン/タゾバクタム)と抗MRSA薬を処方する際、医師からの届け出が必要です。届け出内には、「感染症名(疑い)」および「細菌培養提出の有無」を記載する必要があり、培養提出がない場合にはその理由を合わせて記載するよう求めています。
広域スペクトル抗菌薬使用症例はASTカンファレンス(週2回)の対象症例であり、細菌培養結果などを基に広域スペクトル抗菌薬使用の妥当性等を多職種で検討しています。カンファレンス内で話し合われた内容は適宜、処方医に対してフィードバックを行い、抗菌薬の適正使用を推進しています。
更新履歴
2024/10/15
全国平均在院日数一部変更のため、修正
2024/9/26
公開